何かに寄り掛かることなく、己が信じた道のみを歩み続ける。その道が困難だとわかっていても、自らの志を貫き続けることしか知らない。それが、OVER ARM THROW(以下、OAT)だ。実に4年ぶりとなる新作『Songs -what I sing when a war resounds this-』は、涙腺を直撃するような繊細さや祝福感に溢れたメロディー、ライヴでの躍動が約束されたかのような2ビート、聴けば一瞬でグイグイと引っ張られてしまう曲展開等、OATの全身全霊が詰め込まれた入魂作。改めて、OATというバンドの凛とした立ち姿が噛み締められるはず。今回は、作品についてはもちろん、迷いながらもバンドと真正面からぶつかってきた彼らの真意について迫ってみた。

interview by ヤコウリュウジ


――まず、ホントに久しぶりの作品となりました。約4年ぶりですよ。

鈴野(Ba./Cho.) でも、1stフルアルバム『Oath and Night War』を出して、ツアーをやってから考えると実質……

菊池(Vo./G.) それでも3年半。

鈴野 あんまり変わらないっすね(笑)。

――振り返ってみて、長かったと思います? それとも、気がついたらこれぐらい経っていたのか?

鈴野 どっちも思うことがありますよ。時間の流れって、速いですよね。最近なんて、「ホントに時間がないな」って感じるし。

――ちなみに、『Oath and Night War』のツアーを終えたとき、新作について構想はあったんですか?

鈴野 いや、なかったです。

菊池 ぶっちゃけ、たしかになかったんですよね。

鈴野 もう、曲作りもレコーディングもやりたくないと思ってた(笑)。

一同 ハハハハ(笑)。

――じゃあ、「そういった気持ちが湧くまで普通に活動すればいいか」みたいな。

鈴野 それすらも考えてなかったかも、そのときは。

菊池 だから、英司(寺本)が入って、まずはそこからみたいな感じでしたね。

――意識が切り替わり、前を向いて活動していこうという。

菊池 そんなにカッコいいことじゃないかもしれないけど、英司が入って、「またライヴがやれる!」っていうのがデカかったんですよ。

――英司さんが加入して、ちょうど2年ぐらいですよね。

鈴野 まさに、2年前の同じ日に立川BABELで初ライヴでした(8月31日取材)。

菊池 あの日、英司は超ビビってたな~(笑)。

寺本(Dr./Cho.) だって、ライヴハウスの横に機材車で乗り付けたときの「うわっ!」っていう気持ち、今でも思い出しますね(笑)。

菊池 そういう巡り合わせが、オレらは多いんですよ。

――たしか、寺本さんが加入した日も、バンドの結成日である7月11日だったんですよね。

菊池 そうなんですよ。

鈴野 それも、みんなの予定を合わせた結果、たまたまだったんですけどね。

――振り返ってみれば、新体制になってから3ヶ月ぐらい経ってライヴを観させてもらいましたけど、その当時から「今は曲作りモードなんですよ」みたいなことを言ってましたよね。

寺本 言ってましたね。

菊池 まあ、ここ何年もそうでしたけど……

――ほぼ進まず?

鈴野 はい!

一同 ハハハハ(笑)。

菊池 ホントに、オレらは追い詰められないとやらないですね(笑)。

――寺本さんは、こういったOATのペースはいかがでした?

寺本 やっぱり、最初は早く音源を出したい気持ちが強かったんですよ。ただ、バンドに加入して、曲作りはもちろん、ライヴに関しても悩んだりもしたし……難しいところもありましたね。

――しかしながら、これだけ期間が空くと、追い詰められるタイミングはどこになるんですか?

菊池 ようやく大人になったことかも(笑)。普通は、レーベルから「次は何月に音源を出すから、曲作りをやっとけよ」みたいなのがあるだろうけど、ウチは基本的に放牧なんで(笑)。でも、さすがにそれもダメだろうとなり、洋平(鈴野)が「そろそろ始めようか?」って言い出したのかな。

寺本 そうそう。だから、最初は締切を設けないで作っていこうとしたんですよ。

鈴野 まず、英司が入って、ライヴがやれて嬉しいっていう気持ちでガーッとやってて。その次の段階として、バンドとしてちゃんとグルーヴやノリを擦り合わせていく。で、そこが合わさっていったとき、「そろそろ曲作りに入ろうか?」っていう。キッカケとしては、NO USE FOR A NAMEのトリビュート盤に参加することになって、レコーディングをしたことでしたね。それを終えて、「何曲か録れたらいいな」となり、曲作りを始めましたから。

寺本 時期としては、昨年の2月ぐらいですね。

――じゃあ、今作に繋げると、1年半ぐらい前から少しずつ進めていったと。

寺本 そうなりますね。

菊池 それこそ、「Dear my songs」の原型もそのころからあったし。

鈴野 「By yourself」の元になった曲もライヴでやってたりもしたんですよ、実は。そのときは「Stargazer」っていうタイトルで、イントロを変え、サビも変えたから、原型は残ってないけど(笑)。

――ハハハハ(笑)。となると、どのあたりから曲作りは加速していきました?

菊池 レコーディングの日程を決めたときからでしたね。「もう決めないと進まない!」って。

鈴野 順を追って話せば、昨年の10月をオフにしてたんですよ。で、その10月から曲作りをスタートさせて、年明けの1月からレコーディングができればいいなって。でも、できなくて、レコーディング用に空けてた1月と2月を曲作り期間にして、3月にレコーディングできればいいなと思ったけどそれも無理だったんですよね。そこから先はライヴをいっぱい入れちゃってたから「どうしよう?」となったけど、なんとか曲作りをして、6月と7月でレコーディングをすることになり、ようやく今回へと繋がりました(笑)。

――当初の予定から半年かかりましたね(笑)。

菊池 無事、戻ってまいりました(笑)。

鈴野 考えてみれば、曲作りが進まない理由がわかるというか。決断力のなさというか、決断する勇気がないんですよね。

――曲作りを進めても、それを最終形だと決断するのに時間がかかると。

鈴野 「コレでいいんだ!」って思わないというか…それこそ、3人でそう思えたことがあるのかどうか(笑)。

菊池 まあ、曲によってはあるって(笑)。曲作りに関すると、俗に言う2ビートでストレートなメロディックこそ、たいへんなんですよ。シンプルな曲ほど、凄く時間がかかる。あとは、メロディーに対する判断もそうですね。ホントに難しい。オレの場合、その場でパッと出たメロディーがいいんだろうけど。



Songs -what I sing when a war resounds this- - Over Arm Throw

OVER ARM THROW
2nd FULL ALBUM
『Songs -what I sing when a war
resounds this-』

2011.10.19 REVOLUTION

FGCA-26 2,500YEN (Taxin)
Contain 11 Songs

01. By yourself
02. You are there
03. Lamplight
04. Mr.know-it-all
05. Across the fanfare
06. Don't force your normal upon me
07. The dancing rain
08. A-Z
09. in Bloom
10. Dear my songs
11. All right, all wrong